大きくなったら何になる?
♪おおきくなったらなにになる~?おおきくなったらなにになる~?
なんていう子どもが大好きな手遊び歌もありますが…。
「大きくなったら何になりたいかな」
そう問いかけると、
小さな子どもは
大きくなったときの自分に夢をふくらませます。
この時の“大きくなったら”は
特別“大人になったら”というわけでも、何年後かの自分なんて概念はありません。
とにかく今より大きくなったら、で良いのです。
それはその子にとって、明日かもしれないし、一週間後かもしれない。
一年たって一つ上の学年の子を想像しているかもしれない。
そんな曖昧なものです。
そして、幼ければ幼いほど、どんなものだっていいのです。
スーパーヒーローだっていいし、プリンセスでもいい。
ときには消防車だって、お空の雲だっていい。
想像する力は、こんな風に今と違う自分を思い浮かべる力なのです。
それが年齢とともに段々具体化し
「自分はこんな大人になりたいな」
「大人になったらこんなことをやりたいな」に変わっていきます。
今とは違う時間軸が生じて
子どもの自分から大人の自分を想像するのです。
大人になった自分を想像して、「夢」を持ちます。
想像するのです、自分が大人になった姿を。
ここでもまた、ひとつ大きな想像力が試されますね。
そうです。
子どもはみな、今とは違う自分に想像力を働かせるからこそ
未来を生きていくことができるのです。
未来の自分を想像し、夢描いて、それに向かって歩んでいこうとする力が
生きる力です。
でも近頃…
「夢」を描けない子どもというのも増えています。
「大きくなったら何になりたい?」という漠然とした幼児期の質問ですら
答えに困ってしまう子がいるのです。
その感覚が改善されず続いていくことがあれが
大人になって「こんなことがやりたい」と、
自ら選ぶ力にも及んでいくかもしれません。
その子の心に足りないものが何であるかに思いをよせていくと、
その背景は様々でしょう。
ただ、大人との関わりが少ないからとか
共感してもらう遊びをしていないからとか
絵本を読んでもらうことが少なかったからなどという
断定できるような理由でない場合もあります。
想像力を働かせることが「生きる力」につながるのであれば、
「夢」を描けないことは
子どもにとって非常に辛い状況が存在するかもしれないですね。
次回はもう少しこのお話の続きをしていけたらと思います。 Como