子ども研究者Como     子どもたちのダイアリー

保育歴20年・母歴15年の子育て応援ブログです。

空想と想像と、妄想。

今日は、少々子どもの世界から離れた内容でスタート。

 

ファンタジーの世界と現実の世界との共有(垣根の理解)

それがうまくできるからこそ

人間はきちんとした意識の中で、

ただしく物事を解き進めていくことができるのです。

 

大人になってもなお

ファンタジーの世界だけに意識が留まり、

頭の中を空想のものだけが蔓延し、

現実とそれとの区別ができなくなったら、それはただの「妄想」です。

 

「想像」することと、「妄想」に走ってしまうこと。

これは、全く異なるものです。

 

わかりやすい例えを用いるならば…、

 

「好きな人ができたとき」

まず人は自分が好きという感情と同時に

「相手は自分をどう思っているか」を想像します。

そして「自分に気持ちがあるかどうか」に

気持ちが浮いたり沈んだりします。

きちんとした現実を共有しながら「想像」するからこそ、

ああでもない、こうでもない、こうだったらどうだろう、ちがうかな…と

色々な考えが浮かぶのです。

 

しかしそれが「想像」でなく「妄想」であるならば…、

「好きな人ができたとき」

全く相手の気持ちや意思はそこに尊重されず

「この子も自分を好きかもしれない」

「好きなのだから、こうに決まっている」

と、自分の思いに非現実的な相手を連動させていきます。

「きっとこうしたら、相手は嬉しいに決まっている」

などと押し付けの気持ちまで出てきます。

そこに思いもしない現実が突き付けられたときに

「自分がこんなに好きなのに、なんでそんな態度をとるのだ」

「あいつはなんてひどいやつだ」と、

相手を憎しみを抱くこともあるかもしれません。

 

時折耳にするお話ではないですか?

これは完全に「想像力」が欠如し

現実世界と空想世界の垣根がわからなくなってしまった「妄想」の世界です。

 

話を子どもとファンタジーに戻しましょう。

 

なぜ小さなうちから「想像」する力が必要なのか

それは現実をしっかり見据える力にもつながっていくからなのです。

不思議な世界と誘われ、その世界を堪能し、

でも必ず安心してほっとできる親の元に帰って現実を過ごす…。

その繰り返しが子どもの育ちにはとても大切なのです。

 

辛い体験、悲しい体験、怖い体験、不思議な体験…

そんな非現実的なファンタジー世界での体験をしたあとでも

必ず自分には現実の世界があって

そこには「お父さん」や「お母さん」が待っていてくれるという安心感こそが

次の冒険へと子どもをはばたかせるのです。

 

少し年齢がいった子どもたちにとっての冒険とは

そうです、

現実世界での未来への挑戦です。

たくさんの人生の荒波を乗り越えながら、未来へ羽ばたいていく力が

必要なのです。

 

ですから、

ぜひ乳幼児期の子どもたちには、

絵本でも頭の中でも、自然の中でも

ファンタジーの世界に彩られる時期をたくさん過ごさせてあげてください。

 

そして絵本を介したファンタジーの世界を大人が一緒に楽しみ

たくさんその世界を共有してあげてください。

子どもからどんなファンタジーな世界のお話が飛び出しても

「そうなんだね」と共感してあげながら。

現実世界の「お父さん」「お母さん」として…。             Como

 

 

本当に素敵なファンタジー絵本・おすすめの2冊 

もりのなか (世界傑作絵本シリーズ)

もりのなか (世界傑作絵本シリーズ)

 
また もりへ (世界傑作絵本シリーズ)

また もりへ (世界傑作絵本シリーズ)

 

白黒の絵の中に不思議な世界を感じながら、昔から愛されている名作です。現代の子どもたちでも、この不思議な空間に誘われていき、みんな大好きなシリーズです。